アパート経営はリスクを伴う投資ですが、そのリスクを理解し、適切にメリットを活用することで成功への道が開けます。空室率の管理や自然災害への備え、そして効果的な節税対策など、成功するための鍵を手に入れましょう。
リスクとメリットを知ってアパートの経営感覚を磨く
賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。
今回のテーマは、「アパート経営のリスクとメリット」です。あまり難しく考える必要はありませんが、どのようなリスクとメリットがあるか知っておいてください。
空室率の増加と賃料の下落のリスク
空き室がずっと埋まらないと、家賃を下げなければいけない。これは賃貸アパートを持っている限り、常に考えることになります。
昔は10年マジックといって、入居者が入って10年くらいは空室率の増加・賃料の下落はないと言われていましたが、もうそんな時代ではありません。5年で空室が出ているケースも多く、5年プレミアムの時代なのです。
たとえ今は満室でも安心せずに、いろいろなことを考えてください。
避けられない自然災害と金利上昇のリスク
最近は雨の被害が多く伝えられています。また、そもそも日本は地震大国です。豪雨や地震などの自然災害は避けることができません。強い構造体をはじめとして、入居者様を災害から守るような建物でなければいけないということです。
そして金利上昇。これは世の中の流れで変化しますが、銀行からお金を借りてアパートを建てるので、金利上昇は気になりますよね。よく比較されるのが日本の国債。4パーセントを超えると破綻するといわれています。
賃貸経営ではアパートの入居率が70パーセントで、金利上昇が4パーセントになった時。それでも1円でもプラスが出ていれば大丈夫だという、銀行の物差しみたいなものがあります。これがお金を貸す際に事業を見る、大まかなイメージです。
入居者同士のトラブル
入居者トラブルの原因はさまざまです。
たとえば建物の構造による、音トラブル。これは物理的な問題なので、構造自体がしっかりしていれば避けることができます。
難しいのは心理的なトラブルです。たとえば単身の女性が1階に、小さい子どもがいる子育て世代のファミリーを2階に入居させたらどうでしょう。ターゲットを絞り込む怖さもあると思いますが、誰でも入れるような物件は、トラブルを引き起こしたり、巻き込まれたりしやすいのです。
では次に、メリットを考えてみます。
オペレーション次第で長期収入が得られる
まず、長期的に収益が得られること。よく比較されるのは株です。株は景気が良い時は伸びますが、もちろん下落もします。バブルの時は4万円近くにまりましたが、バブル崩壊で4分の1まで落ち込みました。
では賃貸経営はどうでしょう。家賃も下落はしますが、株ほどではありません。
10万円の家賃が5万円になるとか、2万5,000円になるということは、ありえません。賃貸は空室と家賃下落を上手くオペレートできれば、長期で収入が得られます。そのためには、良い入居者様に長く住んでいただくことが大事なのです。
生命保険の代わりになりうる
皆さんは団信、「団体信用生命保険」をご存知ですか。
これは住宅ローンの返済中に借主さんが亡くなるなど万が一のことがあった場合に、保険金により残りの住宅ローンが返済される制度です。そんなことは考えたくないでしょうが、団信に加入していれば残された家族の銀行ローン負担がなくなります。若干金利は上がりますが、加入しておいた方が良い保険です。
またFPの方から聞いた話ですが、今は生命保険をかけすぎているケースも多いようです。ですから賃貸をしっかりやっていれば、生命保険よりも良いとのこと。ただし、ライフプランをきちんと立てて、その中で考える必要がありますので、注意してください。
管理費節減や節税対策でさらに利益をうむ
9世帯のアパートがあり良い入居者が9世帯住んでいれば満室経営なので、それで安心してしまっている。たとえば家賃の5%で管理を頼んでいるとしたら、その中に何が含まれているのか、無関心な方が多いのです。
管理会社と話をして、その5%に含まれている管理の中で自分ができることをすれば、管理費が3%になるかもしれません。この2%の違いを金額にして考えることができるかどうかで、利益に差が出てくるのです。
そして節税対策。単なる節税対策でアパートを建てることは、お勧めできません。
賃貸経営には相続税・固定資産税・都市計画税・所得税・住民税など、11くらいの税金が関係してくるのですが、きちんとアパートが経営できていれば、自然と節税対策になるものです。
レバレッジ効果が高い
最後にレバレッジ効果です。
お金を借りる際には、ほとんどの場合、土地を抵当権に入れることになります。土地は路線価の、建物は初期投資額の、60パーセントくらいを借りることができます。土地がある場合は2割くらいの自己資金を入れると、お金を貸してくれる。これがレバレッジ効果です。
さきほど金利上昇が4パーセントで、入居が70パーセントくらいだとどうなるかという話をしましたが、これは収益還元法です。以前は銀行ローンを組む際には抵当権しか見なかったのですが、今は収益還元も加味するようになりました。
アパートメント業は収益還元があるので、レバレッジ効果が非常に高いのです。
今回は「アパート経営のリスクとメリット」についてお伝えしました。アパート経営は投資ですからリスクもありますが、メリットを活用することでリスクヘッジができるので覚えておいてください。
この記事は女性専用アパート「プリマ」HPのブログから転載させていただきました。
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記事を書いた人:石川 龍明
「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com