大家さんへの質問。浪費と投資の「違い」がわかりますか?

不動産投資家の大家さんにとって、収入を増やすために投資が不可欠なものとなっています。それに対して浪費は、収益に直接つながることがないため後回しにされるべきものです。しかし、浪費と投資の違いを理解している方はあまり多くありません。そこで、この記事では、大家さんにとっての浪費と投資の違いについて説明していきます。また、自分自身や自分の物件にお金をかけることが投資になることを、具体的な例を交えて紹介しています。大家さんならば、ぜひこちらの記事を参考にして、自身の経営に役立ててみてください。

大家さんは、家族から「そろそろ車を買い換えたいがどうだろう」なんて言われてるくらいならまだいいのですが、「今度の新車がぜひ欲しい、どうしても欲しい、なんとかしてくれ」とせがまれると、ついつい財布の紐(ひも)をゆるめてしまいそうです。
本音では「そうはいっても、最近アパートの収入が減っているだから、そんなにせがまれてもなあ」と思っていても、身内に甘いのでついつい買ってやりたくなります。ましてや自分も欲しければ、飛んでいって買ってしまうでしょう。

車のカギを持つ人~満室カフェ

浪費する前にアパートに投資を

ところで、もし大家さんのアパートに空室があって、何とかしなければいけない状態ならば、車の買い換えをちょっと待ってください。何をおせっかいなことを言うんだといわれることを承知で申し上げましょう。
自分の車を買うお金は浪費です。自分や家族は喜ぶでしょうが、いくらお金をかけてもお金を生むことはありません。それどころか、高級車となればまさに金食い虫でしょう。
「自分のお金を自分の楽しみに使って何が悪い」。おっしゃるとおりです。しかし、少しだけふみとどまって考えてください。
もし、車を買うお金をアパートの改良費に回したらどうでしょう。
例えば、入り口や外壁をきれいにするために門や壁を塗り替える。また、空室となっている部屋の床を思いきってフローリングに替える……等々をしてみたらどうでしょう。
そうすれば、今空いている部屋も埋まることでしょう。もしかしたら、これからも空室になるリスクが減るかもしれません。

壁の塗り替え~満室カフェ

投資のリターンで車は買える

実はこの話は実話なのです。
大家さんのAさんは300万円の新車を買うのを我慢して、そのお金でアパートの入り口と部屋のドアを全部直して、見違えるようにしてしまったのです。建物は明るく、きれいになって、とても魅力的になりました。
何より、月額10万円の部屋が埋まったので、10万円×2部屋×12カ月=240万円の収入が確定しました。300万円をかけても、1年と3ヶ月で元が取れてしまったのです。Aさんは喜んですぐに新車を買おうと思いましたが「まあ、ここはじっくり落ち着いて」と気を取り直しました。車は1年後に買うことにしました。空いていた2部屋がすぐに埋まって大喜びです。

車と男性~満室カフェ

利口な大家さんは投資上手

自分の楽しみに使うお金は浪費です。収入を生むためにお金を使うことを投資といいます。
経営者なら投資を優先します。浪費は後回しです。浪費は楽しいお金の使い方ですが、お金は出ていくだけで入ってきません。
しかも経費にもならず、税引き後のお金ですから、その実質負担は相当なものです。投資したお金にはリターンがあります。しかもすべて経費になるのです。
自分に甘く人には厳しく、というのは世の常ですが、大家さんがお金を稼ぎたければ、自分の遊び金を少し控えて、お金を生む投資に回し、自分のアパートにお金をかけてやってください。きっとかけた以上にお金は戻ってきますよ。

お金を稼ぐ人のお金の使い方は、浪費より投資を優先しているものです。

この記事は女性専用アパート「プリマ」HPのブログから転載させていただきました。
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記事を書いた人:本郷 尚

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。