賃貸住宅市場において、21世紀はシニア(高齢者)の存在がますます重要になっています。この記事では、シニアが賃貸住宅市場に与える影響と、大家さんがシニア層向けに取り組んでいることについてご紹介します。
シニア入居者への支援制度や対応策、彼らが持つ優良なお客様としての特徴などについて詳しく解説します。また、シニア入居者の変化するニーズに合わせた賃貸住宅の設備や環境の改善にも触れていきます。
シニアが賃貸住宅市場で重要な存在となる21世紀において、大家さんたちは彼らと共に歩み、持続可能なアパート経営を目指しています。ぜひ、この記事を通じて、シニア入居者への理解とサポートに役立つ情報を得ていただければ幸いです。
「高齢者入居制度」をご存知ですか?
ところで今まで大家さんは、シニア入居者に対して、病気になった場合の対応が難しい、保証人がいない、家賃の不払い、さらには、もし亡くなった場合にはその後の入居者の募集が困難になる等々、マイナスイメージが強く、貸したがりませんでした。
こんな動向を踏まえて、日本賃貸住宅管理協会ではシニアが安心して賃貸住宅に入居できるような仕組みを作っています。万一のときには身元引受人を確定させ、家賃滞納に対しては最大6ヵ月保証等々の「高齢者入居支援制度(シニアステージ)」を作りました。
シニアは優良で安定したお客様
これからどんどん増えるシニアに対して、いつまでも古いイメージのままでは、大家さんも市場から取り残されてしまいますよ。
プラス思考で見ると、シニアの入居者は今さら失業の心配がなく、家賃の滞納率がきわめて低く、実際には家賃支払い能力は若者より高いのです。しかも、静かで丁寧に部屋を使用してくれます。シニアは、家賃並みの支払いで分譲マンションは買いません。転勤、転職は絶対にありません。よって、気に入れば長期に借りてくれる優良な入居者になることが多いのです。
高度成長期には、家賃改定が難しいので長期に入居される借り手を嫌う傾向がありました。しかし、これからは長期安定的な入居者の確保が重要です。
変わるシニアのニーズに敏感に
もし亡くなった場合でも、シニアにとっては天寿を全うできたと解釈しますので、悪い印象はありません。次の入居者もシニアなのですから、心配ご無用です。
それより、今まで若者だけを対象に考えていたアパートやマンションを、シニアを対象に考えると、建物の設備や間取りが変わってくることでしょう。一階の部屋に人気が出てきたり、フローリングではなくて畳の部屋になったり、さらにはペットが飼えたり、駐車場よりベランダをという具合にニーズが変化してきます。駅至近でなくて、静かな環境を望む人もいます。
大家さんもシニアですよね。価値観が一緒です。これから急速に進む高齢化社会に対応するアパート経営に真剣に取り組んでみてはどうでしょうか。
この記事は女性専用アパート「プリマ」HPのブログから転載させていただきました。
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記事を書いた人:本郷 尚
税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。