変わる物件の価値!ホームステージングの7つのメリット

ホームステージングは、ただの家具配置ではなく、入居者の心を掴む「住まい方の提案」です。この技術により、空室期間を短縮し、物件の魅力を最大限に引き出すことが可能に。家具の配置一つで、部屋の見た目と機能性が劇的に変わり、入居者に「ここに住みたい」と思わせる力を持っています。その具体的な方法と、実際の成功事例を詳しく解説します。

入居者予備軍の心をつかむホームステージングとは?

賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。

今回からは、アパート入居の決め手ともなる内覧メソッドについて解説します。
第1回目のテーマは、「ホームステージング」です。

 

ホームステージングによる7つのメリット

1年間売れなかった分譲マンションが、たった5日間で売れました。何をしたと思いますか? ホームステージングです。
賃貸も同様です。ホームステージングをしたら、半年埋まらなかった部屋が、たった3日で埋まりました。それも家賃を1.1倍に上げたのに、です。

ホームステージングとは「住み方の提案」のこと。
「清潔で暮らしやすい」
「ここに住んだら自分が変われる」
内覧に来た方が、そんな風に思える仕掛けをつくる、演出をすることです。
たとえば、収納ボックスなどの家具を実際に配置する。あるいはエアーベッドを置いても良いでしょう。Amazonだと1万円以下くらいで買えますから。そして、この部屋だったらベッドをこういうふうに置けるということを、図面ではなく実際に見せてイメージしてもらうのです。

「ここに引っ越してきたら、私の持っているものは、こんなふうに収納できる。これは暮らしやすい」
そう思ってもらうことが、ホームステージングのポイントです。まずは、ここから考えてみてください。

ちなみに、きれいに暮らすためには3つのステップがあります。
それは、「分ける」、「減らす」、「収める」です。家の中のモノを、衣類、食器、文具などジャンル別に分け、今の生活に必要なモノだけに減らします。そして残したモノを収納する。これが「片付け成功の3ステップ」です。
ホームステージングで見せることができるのは3ステップ目、「収納のイメージ」です。これは非常に大切な、「暮らしやすさのポイント」になります。実際に「収納」は、アパートを借りるときに重視する項目の上位にのランキングされているので、とくに意識してください。

では、もう少し具体的にホームステージングの話をしましょう。
ホームステージングには、7つのメリットがあります。

入居者予備軍への具体的な発信

1つ目のメリットは、「入居者予備軍のセレクトに残りやすくなる」ということ。

入居者予備軍というのは、これからアパートを借りようかな、という方です。新しく1人暮らしを始める方はもちろんですが、すでにアパートに住んでいる方の中にも、入居者予備軍はいます。
「今住んでいるところを、いつ引っ越してもいい。
でも引っ越すとしたら、家賃がちょっと上がっても今より良い部屋に住みたい」
そういう人たちも、入居者予備軍です。

本当に引っ越したい人は、家賃が5,000円、1万円くらい高くても納得できる良い物件を、時間をかけて探しています。今はインターネットで情報を入手する時代ですから、自分の好きな時間に好きなだけ誰にも邪魔されずにアパートの情報を見ているのです。

これはプリマに住んでいる女性に実際に聞いた話ですけれど、キーワード検索をして、駐輪場はどうなっているのか、エントランスはどんな雰囲気なのかを調べたそうです。つまり、具体的な情報を見たがっている。そうなるとアパートの物件の見せ方としてオーナーブログは、すごく効いてきます。リアルな情報を見たい、知りたい入居者予備軍にとって、オーナーブログは、まさにリアルな情報源として響きます。
ですから情報の発信源として、ぜひ、ブログも活用してみてください。

 

物件本来の魅力を伝えて、空室期間を短縮

2つ目は、「物件本来の魅力を伝えることができる」ということ。
これは、よく聞く話なのですが、不動産仲介業者などに物件の写真撮影を頼むと、「なんでこの写真なの?」と思うようなことがあるようです。
たとえば西日が入る時間の室内写真だったり、写真自体が暗かったりする。どんなにきれいな部屋でも、暗いと汚く見えてしまいますよね。
あるいは、お金をかけて作ったウォーキングクローゼットの写真がないなど、オーナー様が写して欲しいところが写っていないことも多いのです。
ですから本来の物件の魅力を出すために、オーナー様がホームステージングをして、自分のフィルターを通した写真を使った方が良いと思います。

3つ目。「空室時間を短くする」ことができます。
入居者予備軍のセレクトに残り、物件本来の魅力が伝われば、部屋が空いている期間を短くすることができるのです。

 

オーナーのストレス軽減につながる

4つ目。「空室に対するストレスや不安が軽減する」ことにつながります。

あるオーナー様の物件は、常に満員・満室です。エントランスも階段もエレベーターも、自分でピカピカになるまで磨いているので、いつもきれいです。内覧する方も、安心ですよね。
ところが、このオーナー様でさえ、いつも「今は満室だけど、いつ空くか怖くてしょうがないんだ」と言います。これはオーナー心理ですね。
どんな物件でも空かないことはないと思います。ただ空いたときに何をやればいいかがわかっていれば、そのストレスは軽減します。
具体的に何をすればいいかは、これからご説明していきますが、その1つがホームステージングなのです。

 

創造家賃が作りやすい

5つ目は、「創造家賃が作りやすい」こと。
創造家賃とは、周りの平均家賃を上回る家賃のことです。
あなたが20平米のアパートを持っているとします。近隣にある20平米の築10年くらいのアパート100軒の平均家賃が10万円だとしたら1.1倍、11万円の家賃にしたい。1万円分高くするためには、入居者に対してどんなサービスをするか、どんな収納を用意するか、どんな明るい部屋を用意するか。脳みそに汗をかいて色々なことを考えていくと思います。
ホームステージングによって、それを実際に見せることができますので、創造家賃が作りやすくなるのです。
創造家賃だけではありません。ホームステージングで良い入居者が入れば、滞在率が長くなります。
「空室になる→入居者が入らない→家賃を下げる」
この悪いスパイラルから抜け出すことができるのです。

6つ目。「webの情報発信が分かりやすく伝わる」。
実際に住み方の提案をしているわけですから、具体的に写真で見せることもできますので、見る人にもダイレクトに伝わります。

7つ目は、「入居者がワクワクした生活がイメージできる」。
ホームステージングをすれば実際に入居たときに、どんなふうに暮らすことができるのかイメージしやすいですよね。冒頭で触れたように、
「この部屋に住んだら、自分が変われる」
という期待感で、ワクワクしてもらうことができるのです。

 

今回は、内覧メソッドのホームステージングについてお話ししました。
ホームステージングには7つのメリットがあります。ですから1部屋空いたら、ぜひテストマーケティングとして実践してみてください。

この記事は女性専用アパート「プリマ」HPのブログから転載させていただきました。
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記事を書いた人:石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com