アパート経営は、空室や家賃下落、税金などの悩みがつきものです。しかし、入居率、家賃、募集期間、税金、債務返済カバー率など、さまざまな指標を分析することで、収益改善のヒントが見つかります。
今回の記事では、アパートメントの収益改善に必要な5つの簡易診断をご紹介します。
石川龍明の賃貸経営レッスン[メソッド4]~アパートメントの収益改善
賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。
今回のテーマは、アパートメントの収益改善における「5つの簡易診断」です。
①入居率が60%以下になった
アパートメントの収益改善が必要かどうか。その診断ポイントは5つです。
1つ目は入居率。前回は空室率についてお話ししましたが、今回は入居率に注目してください。
入居率が60%を切ったら、改善が必要です。
②家賃が15%以上下がっている
次に新築時からの家賃下落率。前回お話しした、家賃の賃料指数です。
賃貸経営で重要なのはキャッシュ・フロー、収支を知ること。家賃が新築時より下がっているということは、収入が減っているということです。けれども銀行に返すお金、管理会社への管理費、修繕積立など、支出は変わりません。
収入引く支出、その残りが利益になるわけですから、先ほどの入居率と家賃下落率という数字をしっかり押さえることが大事です。
良い物件であれば新築から2~3年経って空室が出ても、家賃が下がりません。逆に、家賃を上げてもすぐに入居者が決まってしまうことさえあります。
③募集期間が4カ月以上
空室になり募集をかけてから、次の入居者が決まるまでの期間です。
やはりアパートを建てる時、またはリノベーションをする時に、住まい手目線で考えれば滞在率が長くなり、住んでいる方や周囲にお住まいのクチコミなどで、良いアパートだということがわかります。ですから空室になって次の募集をするときに2~3,000円家賃を上げても、すぐ入居者が決まるのです。
家賃志向、新築志向をターゲットとしているハウスメーカーは、そういう物件は作れません。ターゲットより深く掘り下げたペルソナを設定して、その人たちに気に入ってもらうために何をやるかというのが大事なのです。
④税金の圧迫を感じている
木造アパートの場合、減価償却は22年です。この減価償却は、いずれなくなります。銀行の金利も、どんどん少なくなります。つまりキャッシュ・フローを考えた時に、収入から引ける金額がどんどん少なくなってくるわけです。
そうなると支出が少なくなってくるので、家賃として同じ収入があった場合、累進課税制度によって支払う税金が高くなってしまいます。今まで10%税率が20%になり、20%が30%になるという具合です。ですから、減価償却と銀行の返済の動きをきちんと押さえることが必要です。そうしないと、税金が経営を圧迫することになりかねません。
⑤債務返済カバー率が1.1%以下になった
今は順調に返済ができているけれども、家賃収入が減って返せなくなってしまうのではないかと、不安を抱えているかもしれません。
けれどもそういった問題は急に起こるわけではありません。対応するためには、時間経過に伴うDSCR、債務返済カバー率を見ていくことが大切なのです。
数字は嘘をつかない
賃貸経営には、さまざまな数字が出てきますが、数字は絶対に嘘をつきません。
どんな計算でも、叩く数字と叩く式が合っていれば答えは同じ。オーナーの皆さんでも、中学生でも、80歳を超える方でも、みんな一緒です。
ですから、この数字を常に意識して、早めに対応すれば勝ちなのです。
そこで次回からは「5つの簡易診断」の数字について、さらに詳しく解説します。
↓こちらの内容は、石川先生の動画でもご覧いただけます。↓
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この記事は女性専用アパート「プリマ」HPのブログから転載させていただきました。
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記事を書いた人:石川 龍明
「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com