土地は、所有しているだけでも固定資産税などの税金や、管理コストなどがかかります。
このような、持っているが利用していない土地を、何らかの方法で有効活用して利益を得ることを「土地活用」と呼び、不動産会社の広告やメディアなどでも目にすることが多くなりました。
ただし「土地活用」には様々な手法があり、収益性の高いマンションやアパートなどを建てるものから、土地を売却して現金化することも土地活用方法のひとつで、簡単に一括りにすることはできません。
特に、はじめて土地活用をされる方は、何から始めればいいのか?どこに相談すれば良いのか?など、不安をお持ちのことと思います。
ここでは、そんな「はじめての土地活用」で、最初に知っておいていただきたい事を、わかりやすくご説明します。
土地活用の目的
所有している土地を、最も適した方法で活用するためには、何のために土地活用を行うのか、目的を明確にしておくことが大切です。
土地活用の目的として、一般的なものを挙げてみます。
複合的な要素もあると思いますが、ご自身がどれに当てはまるか知るための参考にしてください。
節税対策としての土地活用
主に相続税や固定資産税などの「節税対策」を目的とする。
収益を得るための土地活用
初期投資のリスクを考えた上で、収益性を第一優先とする。
安定性を優先した土地活用
長期的に安定して、固定資産税や初期投資の回収ができることを優先する。
転用を視野に入れた土地活用
地価の上昇を待って売却するなど、将来的には別の活用目的がある場合の一時活用。
一般的な土地活用の種類
「土地活用」には、様々な種類がありますが、ここで定番の土地活用を中心にご紹介します。
アパート経営
アパート経営は、選ばれる土地活用のひとつです。
多くの用途地域で建築が可能なことや、固定資産税や相続税などの節税効果が大きいことが特徴です。
建築費用が必要なため、ローンを組むなどして投資が必要になります。
また、競合も多いため、空室対策など運用管理には注意が必要です。
立地としては、生活利便性の高い場所が適しています。
マンション経営
マンション経営もアパート経営同様に、節税効果が大きく、さらに安定した長期的な収入につながる土地活用です。
一方で、多額の建築費用がかかることや、不動産動向に左右されやすいことがリスクのひとつです。
生活利便性に加えて、100坪超の広さがあり、容積率の高い設定である土地が向いています。
駐車場
初期投資も抑えられて、比較的手軽に始められる土地活用が駐車場です。
アパートやマンション経営に比べて収益性は低いものの、今後転用や転売の計画がある場合に、取り組みやすい土地活用です。
ただし、固定資産税、都市計画税などの税制優遇が期待できません。
平面で、接道面が広くとれる土地が適しています。
また、駅やオフィスの周辺などでは、高い稼働率が見込めます。
借地
初期費用や維持管理費用をかけずに、借主から安定した賃料を得られるメリットがある土地活用です。
貸している土地は、借主の権利の分だけ評価額が下がり、借主が建物を建てた場合は「貸宅地」となるため、相続税・固定資産税の節税効果も望めます。
借地には「普通借地」と「定期借地」があり、それぞれに条件が異なるので注意が必要です。
【普通借地】
30年以上の期間を定めて土地を貸す制度で、貸主に正当な理由が無い限り借主の更新を断れません。
つまり、永久に貸し続けなければならない可能性もあります。
【定期借地】
当初定めた期間のとおりに契約が終了する制度で、「一般定期借地」・「建物譲渡特約付借地」・「事業用定期借地」があります。ただし、契約の途中で自己都合により返還してもらうことはできません。
ロードサイドや工場地帯など立地が良い居場所、広く使いやすい平地なら、高い賃料設定での契約も期待できます。
その他にも、土地の所有者が土地を提供し、業者が建物の建築費を負担して、完成した物件の建築物と敷地を、それぞれの出資比率に応じて所有する等価交換や、土地売却、高齢者施設、商業施設、トランクルームなどがあります。
また、賃貸住宅では、戸建賃貸や住居併用賃貸での土地活用もあります。
土地活用で欠かせない6つのチェックポイント
次に、どんな土地活用を選ぶか検討する上で、チェックしておきたいポイントをご紹介します
1. 収益性と安定性
土地活用の目的は何であれ、かかるコストと収入のバランスを見た時に、プラスになる=収益になると考えられるものである必要があります。
さらにプラスの状態が、安定的に続くかどうかの検証も大切です。
2. 税制優遇措置
土地活用の方法によって税制面での優遇が異なるため、それぞれ事前に調べておく必要があります。
また、面積や条件によっても異なるため、専門家に相談すると良いでしょう。
3. 初期費用
土地活用では、建築や設備投資など最初に費用が発生する場合がほとんどです。
実施する土地活用の内容によって、かかる初期費用にも大きく差がありますので、どのくらいの金額が必要か確認する必要があります。
4. 転用性
事業環境の変化や景気動向の変動などによるリスクが生じた際に、土地の転用がしやすいかどうかも視野に入れておく必要があります。
5. 必要な土地の面積
用途によって必要な土地面積は異なります。
所有している土地の面積や形状によっては、活用方法が限られてくる場合もあるため、よく調べておく必要があります。
6. 立地制限
法律や条例によって、建てられる施設が制限されているエリアもあります。
また、法令では定めがなくても、周辺環境によって注意が必要な場所もあるため、土地活用の内容と照らし合わせておく必要があります。
土地活用の進め方
では実際に、土地活用がどのように進んでいくのかを見ていきましょう。
主な流れは次のようになります。
① 専門家またはノウハウのある会社に相談する
② 市場調査
③ 計画や提案を検討する
④ 契約
⑤ 建築・施工(建物や設備の利用が伴う土地活用の場合)
⑥ 運用開始
専門家またはノウハウのある会社に相談する
土地活用には多くの方法があり、土地や条件も千差万別なので、それによって最適な活用方法も異なります。収益性や安定性の確保など、大切な土地の運用を成功させるためには、専門家やノウハウを持った会社への相談が必要です。
話を進める場合に、ある程度目的や希望が明確になっていると、相談の段階で、より具体的なアドバイスが得られます。
まだ目的が決まっていないという場合でも、イメージしている事や、譲れないポイントなどを書き出しておくと話がスムーズです。
また、下記の資料をあらかじめ準備して提示する事で、さらに適切なアドバイスや情報が得られます。
✓ 登記事項証明書
✓ 地積測量
✓ 固定資産税納付書
✓ 身分証明書
市場調査
土地を活用する上で市場調査は欠かせません。
市場調査も専門的な視点で、所有している土地の周辺をリサーチします。
地域の特性や、環境、そのエリアの需要と供給などを調査し、その地域に求められているものが何かを知ることで、効率の良い土地活用が可能になります。
計画や提案を検討する
市場調査の結果、どのような活用方法が適しているのかが見えてきます。
相談先である専門家や会社から土地活用のプランについて提案を受け、検討を行います。
この段階では、初期費用など必要なコストが明確になり、計画が現実可能かどうかなど検証した上で、資金計画を専門家と一緒に組み立てていくことになります。
契約
提案内容や条件面で合意ができたら、各種契約を行います。
建物を建てたり、設備を整えたりする場合には、施工業者との契約になります。
建築の場合は、プランや設計を確認した上で、本契約へと進みます。
建築・施工
契約締結後に、建物や設備の建築・施工がスタートします。
賃貸物件や駐車場など、完成後すぐに運用ができるように、施工段階から入居者や使用者を募集しておくことも大切です。
特にアパートやマンション経営の場合は、完成時までに入居者が決まっていれば、より早く収益につながります。
運用開始
運用が始まっても、メンテナンスや契約の更新、入居者や利用者とのトラブルなど様々な業務が伴います。
自主管理と管理会社と契約する方法がありますが、マンションやアパートなどの賃貸管理は、空室対策や家賃回収など煩雑な業務も多いため、信頼できる会社に委託すると良いでしょう。
ここまで土地活用の基本的なお話をしてきました。
土地活用を行うということは、土地を持っている「地主」という立場から、土地を利用する「オーナー」になるということです。
まずは土地活用とはどんなものか知った上で、専門家やノウハウを持った会社に相談するところから始めてください。
丸清リビングでは、土地をお待ちのお客さまの悩みやご希望に寄り添って、土地活用のプランから運用のフォローまで、地域密着のサービスを提供しております。
土地の大小に関わらず、お気軽にご相談ください。
まとめ
✓ 土地活用では、まずは目的を明確にしておくと良い。
✓ 土地活用には、アパートマンション経営や駐車場など様々な方法がある。
✓ 土地を活用する場合のチェックポイントとして、収益性、安定性、税制、初期費用、転用性、土地面積、立地制限がある。
✓ 土地活用を始める場合には、信頼できる専門家(会社)に相談する。